2026年1月30日に発表されたペルーの新種クワガタにつて私なりに情報をまとめてみました。
日本では2月2日にX上で話題になっていましたが、3月1日のインセクトフェスティバルにて、本種の記載に関わった方から標本を購入する機会をいただいたので、これを機に元記載文を見て得た情報と、標本購入時に得た情報も含めてここに記しておきます。
元記載文(オープンアクセス):https://drive.google.com/file/d/1toH6uVB7UVidPiLGgnjkGj_vm6SGDY8k/edit
学名:Orotrupes asenjoi Amorim and Grossi
(和名はまだない)
体長15-20mm 幅7-9mm
ペルーの標高4000m付近の高原地帯で発見され、複眼が上下に分裂している特徴と触角棍が6節に分かれている特徴から、
Chiasognathini族に分類され、コガシラクワガタChiasognathus属やシワバネクワガタSphaenognathus属、オーストラリアのシワバネAustralognathus属やムナコブクワガタRyssonotus属、Safrina属等と近縁とされるそうですが、どの属にも区分されず、新属Orotrupesとして記載されました。
表面的な形質ではアフリカのマルガタクワガタColophon属に類似していますが、Colophonは複眼が分裂しておらず、触角棍も4節であることから、系統的には近縁と言えないが、発達した前胸と小さなアゴ、楕円形の短い鞘翅 どちらも高地の過酷な環境に生息するため、収斂進化によって形が似ているのだと考えられます。
属名Orotrupes の語源は、スペイン語で「金」を意味する「Oro」と、ギリシャ語の「掘る」を意味する「trupes」を組み合わせていて、本種が金鉱山で発見されたことにちなんでつけられたそう。種小名のAsenjoiは、本種の標本提供者Dr. Angélico Fortunato Asenjo Floresさんを献名しているそう。
実際に本種を発見した方から貴重な現地の生息環境や発見時の写真、本種と思われる幼虫の写真を見せていただく機会があったので、それについて私の感覚でまとめると、生息環境は芝のような低い草しか生えない乾燥した過酷な環境のようで、芝地に縦穴が空いてる感じの写真を見るに、恐らく本種は地面に縦穴を掘って生活しているようで、日本でいうムネアカセンチコガネみたいな感じなのかもしれません。また、本種と思われる幼虫の写真も見せていだきましたが、コガシラクワガタと似ている印象で頭部は黒く体はツヤクワガタを思わせるようなぷっくりとした太短い感じでした。画像から得られた情報をもとに妄想を膨らませると、たしかミクラミヤマも縦穴を掘って、周囲の繊維質(飼育下では水苔)を巻き込んで土中に産卵しているので、それと似たような生態をしているのではないかと思ってます。知らんけど。
どちらにせよ、今まで発見されたどのクワガタとも異質な特徴をした新属のクワガタということで、非常に大きな発見であるとともに、今後の調査によって本種の生態の更なる解明と、近縁の新種の存在も気になるところです。







今回入手した個体は♂で体長約19.5mmの個体。両方の触角が欠損している。完品であれば6つの触角棍と4つの節の合計10節で構成された特徴的な触角をもつそう。詳しくは元記載の図を参照してほしい。

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