ヤフオクのガイドライン改定について(オオクワガタが禁止出品物になる件)

2022年8月29日に急遽発表されたヤフオクのガイドライン改定予定について、クワガタをヤフオクで販売している私の目線から、クワガタ中心の注意点をこの記事にまとめておきます。

ざっくり言うと…

2022年9月29日から
オオクワガタがヤフオクで出品できなくなります!

詳しいガイドラインの変更内容についてはこちら(ヤフオク公式HP)をご確認下さい。
わかりやすく言うと、環境省のレッドリスト」に掲載されている絶滅危惧種や準絶滅危惧種は出品禁止になります。そこにオオクワガタ含め何種かのクワガタが含まれてます。

この環境省レッドリストに現在(2022年8月段階)含まれているクワガタは下記の11種類です。

レッドリストの区分和名採集販売・譲渡飼育
絶滅危惧IA類(CR)ヨナグニマルバネクワガタ××
絶滅危惧IB類(EN)ウケジママルバネクワガタ××
絶滅危惧II類(VU)オオクワガタ
絶滅危惧II類(VU)ダイトウヒラタクワガタ
絶滅危惧II類(VU)ハチジョウヒラタクワガタ
絶滅危惧II類(VU)オキナワマルバネクワガタ××
絶滅危惧II類(VU)アマミマルバネクワガタ×
絶滅危惧II類(VU)キュウシュウコルリクワガタ(ニシコルリクワガタ九州亜種)
準絶滅危惧(NT)ミクラミヤマクワガタ×
準絶滅危惧(NT)ヤエヤママルバネクワガタ
準絶滅危惧(NT)キンオニクワガタ

マルバネ3種(ヨナ・ウケ・オキナワ)は元々種の保存法に含まれていた為、もとより法律で採集や譲渡販売が禁止されていました。

他の8種類については、今まで飼育や売買の規制がありませんでしたが、今後はヤフオクのガイドラインによりヤフオク内で禁止出品物という扱いになります。

ただし、ガイドラインには「ストア出店者は人工的に繁殖された個体に限り出品が可能です」という文言があります。ストア出店者になればオオクワガタ含め絶滅危惧種の販売が可能とのことですが、ストア出店者になる条件を調べるとこれがまた現実的ではありませんでした。具体的な条件は下記の2つだそうです。

ストア出店者のアカウント取得条件

・過去の売上 が年間1000万円以上 または 月100万円以上

・出品数が1ヶ月200点以上 または 一時点において100点以上出品予定

はい。無理です…
元々仕入れ先があるような業者でない限り月100万は無理ですし200点は発送だけで重労働ですね…
厳密には無理ではありませんが現実的にストア出店者になれる人はかなり限られてくるかと思います。

また、今回から規制されるのは絶滅危惧種だけでなく、マナー違反な出品も取り締まるガイドラインも盛り込んだようです。下記文言がそれです。

(9)法令等の規制対象に限らず、社会通念上相当な範囲を超えて入手または出品されており生態系や環境に悪影響を及ぼすおそれがあると当社が判断した動植物種(卵や種子を含みます)
【例】
・出品数量が非常に多いもの(卵塊を含みます)
・特定の地域において希少であるもの
・捕獲方法が不適切であるもの
など

私なりの解釈を噛み砕いて書くと、ようは乱獲とか希少種のむやみな販売とかマナー違反な捕獲をして販売されたと思われるものはヤフオク独自の判断で出品禁止しますってことです。

ヤフオクの目的としては、絶滅危惧種や希少種が販売目的で乱獲されている現状に対策を講じたいのだと思います。クワガタ飼育者の立場としては厳しい改定ですが、利益を減らしてでも生態系を守る姿勢は英断だと思います。

ヤフオク外では引き続き販売についての規制がありませんが、国内希少野生動植物種に対する環境省や世間の風当たりを考えると、近い将来クワガタを売買することが難しくなるのかもしれませんね…

とりあえず急ぎで記事を書いたので不備がありましたら追々リライトする予定ですのでコメントにて教えて頂けたら幸いです。

↓動画でも簡単に解説してます

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  1. すすむ より:

    他で販売できるサイトはないのでしょうか?

    • わたくわ より:

      他での販売は可能ですが、ヤフオクほど扱いやすいプラットフォームは特に無い印象です。SNSなどで個人取引をするかBASEなどオンラインショップを立ち上げるか、現状でのネット販売はそのあたりが主流かもしれませんね。

  2. ピロシキ より:

    コメント失礼します。今回のヤフオクの決定はいかがなものかと思いました。オオクワガタについては、飼育品を出品している形が主です。飼育品を販売するだけなら、ストア化する必要は無いのでは❓と感じました。今回の決定により、放虫する方々が増える気がします。

    • わたくわ より:

      生態系に影響を与えないよう心がけて飼育している方が大多数かと思いますが、近年放虫問題などもあり、遺伝資源のことも考えると飼育品が大量に拡散されること事態がリスクと判断されてしまったのかもしれません。近年外国産のマルバネクワガタが特定外来種に指定されて飼育禁止になってしまったように、国内の希少種を守るために少しずつ飼育に対する規制がひかれていてもおかしくないような気がします…
      販売できないと放虫をする人が増える可能性もあるので、やはり大量に飼育個体が普及している種類の規制は難しい部分が多く、環境省も慎重に扱っていた上での今回ヤフオクが苦肉の策を講じたような感じだと思います。品種改良メダカは今後も販売が許されるような噂もあるので、商業化している飼育品オオクワガタについてももしかしたら… まぁ厳しいとは思います。

    • 名無し より:

      色んな人がいるから落とし所の難しい問題ですね。生息地の破壊が問題である以上、CBとWCを明確に区別できる確固たる手法が出ない限りやむを得ない対処だとは思います。

  3. 知恵 より:

    あれもこれもと次々改悪?そのやり方だとこの先、ヤフオクもメルカリみたいに出品厳しくなって誰も利用しなくなるかもな。

  4. ピコパパ より:

    今回の禁止出品には外国産のグランディスオオクワガタ等は含まれるのでしょうか?おわかりでしたら教えて下さい。

  5. 南信州のかぶと、くわがた親父 より:

    情報ありがとうございます。すごいショックですね。これからのオオクワガタ飼育どうしようか悩んでしまいます。早速、プレミアム会員を脱会しました。

  6. さなお より:

    北海道道東在住です
    オオクワガタやヒラタクワガタはかなり少ないですが居ます
    ただここ数は山側でもLED灯に変わり虫はほとんど見ませんね
    ただカブトムシは牧場堆肥でスクスク育つみたいで何年か前に大量に居ました
    家の外灯や居間の網戸にブンブンと
    凄い時は網戸と外灯で20〜30なんて日もありました
    でも欲しい人は欲しいだろうし
    今のうちにブリーダーさん数人連絡先交換しとくのも良いかと

  7. より:

    福島県にヒラタクワガタはいます?

    • わたくわ より:

      北限が山形県酒田市とのことなので福島にもいると思いますが確証は持てません

  8. きつきつぼ より:

    キノコや粘菌や苔を撮影、研究している者ですが、各地で材割採集が横行していて菌仲間や苔仲間を悩ましています。
    何年も定点で観察していた朽ち木が、一瞬でバラバラに、砕かれてしまっているのを目撃したときの絶望感と非常に強い怒りはあなた方にはわからないでしょうね

    • わたくわ より:

      コメントありがとうございます。
      私も過去に生物の研究をしており、定点のシードトラップやハチの営巣場所の調査など、生き物の研究に携わる仲間に囲まれておりました。
      自分の調査対象がマナーの悪い人間によって台無しにされる絶望感と非常に強い怒りは私の経験するところではございませんが、心中お察しいたします。
      数ヶ月単位ではなく何年もとなると、今までかけてきた時間的・労力的・機材的なコストも計り知れないと存じます。
      私の肌感覚でも、近年採集のマナーはあまり良くないと感じていますので、情報発信者として放虫問題や採集マナー、トラブルや法律等に関する注意喚起を行っておりましたが、今一度気を引き締めて情報発信を行いたいと思います。
      恐らくこのようなコメントをここに残すということは、精神的に不安定な状態で自暴自棄になってしまっているのだと思います。とても辛い出来事かと思いますが、どうかご自愛下さいますよう切に願っております。

      • きつきつぼ より:

        自暴自棄の意味合いを分かってこの言葉を使っているのでしょうか?
        精神がおかしくなりここに返信したことを後悔するなよと言う意味合いでしょうか?
        身勝手な材割採集と言う愚かな採集をする当事者に一言物申しただけです。
        粘菌コミュニティーでも材割採集の酷さを取り上げている方もいらっしゃいます。
        このような他の観察者や研究者を邪魔するような材割採集など本当にやめて頂きたいです。
        迷惑です。

        • わたくわ より:

          最初のコメントの意図が汲み取れず申し訳ございません。
          理解を求めるのではなく材割採集を全面的に否定し、意義を申し立てたいのでしょうか。
          当ブログは基本的に採集ではなく飼育の情報を発信しておりますので、この場で飼育専門の私に対してそのような問題提起をされては正直困りますし、当の材割採集者には届かないかもしれません。
          しかし、粘菌コミュニティーなるものがあって、材割採集の問題点を取り上げるという試みがある以上、私としてもこの問題は目を逸らさず真摯に受け止めるべきだと思います。
          否定や拒絶だけでは建設的な話にならず話が前に進みづらいこともあるかと思いますが、このコメントは戒めとしてしっかり残していきたいと思います。

  9. きつきつぼ より:

    飼育専門のわたくわ様に問題を持ち掛けてもどうにもならず迷惑を掛けたことは申し訳ありません。
    しかも理解して頂きありがとうございます。
    粘菌やキノコや苔のコミュニティーも幾つかあって時々この話題が出てきて「〜が出ていた朽ち木がバラバラにされた」や「私のフィールドもメチャクチャにされました」や「積んであった朽ち木がバークチップにされた」など、酷い惨状になっているのが事実です。
    こう言った事態が起こっているというのをクワガタをやっている人々に知ってもらえればありがたいです。
    私も昆虫も好きでクワガタも好きな種類です。
    昔と比べクワガタも激減しているのはひしひしと感じています。
    おそらく材割採集による生息場所、産卵場所の破壊が大きな原因だとおもいます。
    朽ち木が粘菌やキノコ、昆虫が利用できるまて腐朽するまで最低でも4〜5年は掛かります。
    材割採集は小一時間でバラバラにしてしまいます。
    クワガタの住処や繁殖の場である朽ち木を守るためにもこの事実を知ってもらえばと思っています。
    長々とすみません。

    • わたくわ より:

      コメントありがとうございます。
      材割採集によってかなり深刻な状態になっているフィールドもあるのですね…
      貴重な情報ありがとうございます。ようやく伝わりました。
      ただ、今回の一連のコメントを見ると、やはり初めの2回のコメントはとても攻撃的だったので、ほとんどの方はコメントを取り入れるどころか、危ないスパムとして対応してしまうと思います。
      物事を好転させたり伝えたいことがある時は、やはり関心をもってもらったり理解してもらうために言葉を選んだり、攻撃や否定ではない方向で行動を起こした方が良いかと思います。
      否定や攻撃は時に逆効果になり、コミュニティやグループの民度を下げかねない場合もありますのでお気をつけ下さい。冷静で前向きな活動を応援してます!

      • きつきつぼ より:

        近頃の惨状に私も少し感情的になった感もあって申し訳ありません。
        朽ち木に棲む生き物はクワガタだけではなく、土壌生物含めたくさんの生き物のアパートと言った所で壊してしまうと元には戻りません。
        菌仲間のフィールドの近況をFacebook内のコミュニティーでやり取りするとどこも材割採集が酷いとのこと。
        特に都市近郊の緑地公園はことごとくやられています。

    • オオクワ大好きなてばさき より:

      オオクワガタの名産地の能勢もこの問題があった気がします。
      他にも、秩父などのオオクワガタの有名な産地もやられていた気がします。(多分なので本当かわかりません)

  10. 名もなきもの より:

    研究で[近親交配による羽化不全率]を研究したいと考えているものです。なるべくサイクルが早いかつ体長が35ミリ以上の種類を選びたいと思います。パプキンよりも早い種類はありますか?またその種の不全はCBF1〜3くらいでの不全率はどのくらいでしたか?教えていただけると幸いです。

    PS.8/5の即売会でビプラギアトゥスを購入させていただきました。ありがとうございました。

    • わたくわ より:

      パプキンより早い種類はあまり思いつきませんが、ツノヒョウタンの仲間もそれなりにサイクル早かったと思います!

  11. ミヤミヤ より:

    わたくわさんの動画を見てウォレスノコギリ買いました