クベラツヤクワガタの飼育情報

クベラツヤクワガタ

基本情報

和名:     クベラツヤクワガタ 亜種sinensis
学名:     Odontolabis cuvera sinensis (Westwood, 1848)
分布:     ミャンマー東部、中国南部、ベトナム、ラオス北部、タイ北部
野外珍品度:  もっとも普通★☆☆☆☆☆
サイズ:    ♂43-92.7mm ♀41.2-51.3mm
飼育レコード: 87.4mm(2017)  ※2022年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 92.7mm

飼育難易度 : 普通★★★☆☆☆
飼育温度:   18〜25℃
成虫寿命:   半年〜1年ほど?
幼虫期間:   1年〜1.5ほど?

備考

クベラの分布と亜種・個体群について

クベラツヤクワガタは大陸に広く生息するツヤクワガタの仲間で、近縁種にはモウホツヤクワガタやフェモラリスツヤクワガタなどが知られています。BE-KUWA90号のツヤクワ特集に従うと、クベラツヤクワガタは亜種が原名、alticola、sinensisの3亜種になります(旧fallaciosasinensisのシノニムとして扱う)。
近縁種がいたり亜種がいたり、分類的にも曖昧でとてもややこしい種類なので、入手時はラベルに亜種の記載もなく、どの亜種か把握できていませんでしたが、後々入手したベトナム・イエンバエ産のクベラツヤクワガタを調べてみると、ひと昔前は亜種fallaciosaでしたが現在はsinensisとされているようです。また、sinensisは分布域は広く地理的変異が豊富なため、BE-KUWA90号では更にA〜Dの5つの個体群に分けられているようです。

結論から言うと、私のクベラはsinensisのC個体群でした。

正直なところ本種の近縁種や亜種、地域個体群の情報を把握するのにとても苦労したので、私なりに亜種や地域個体群の分布を適当にまとめた表を置いておきます。

※この図は大雑把な情報を元に大雑把に作ったので正確さを欠いていますのでご注意下さい。

ちなみにCとD個体群は旧fallaciosaになります。
こうやって図でみると、モウホやクベラの亜種関係がゴチャついてるのがわかりますね…

BE-KUWA90号によるとベトナム中部で95mmの♂を確認しているそうで、恐らく本亜種で最大になる産地はベトナム中部のD個体群。現在の飼育レコードもベトナム中部のダナンなので、そのあたりのクベラは恐らくデカいんだと思います。

生態や飼育について

野外ではかなりの個体数が生息しているようで、大きい個体は90mmを超えるようですが、飼育では今のところ87.4mmが最大記録だそうです。大図鑑によると、標高500〜1500mと広い範囲に生息していて、5~7月頃になると樹液や灯火に集まるそうです。高標高に生息しているとなると、耐寒性が高そうですね…

飼育で大型羽化を狙う場合、飼育レコードのコメント(2016〜2017)を要約すると、2年1化で最終体重40gだそうです。管理温度や容量については不明ですが、私の適当な憶測では20〜22℃あたりで5Lほどの容量(メガフードコンテナ等)で管理できればそこそこのサイズ出るんじゃないかと勝手に思ってます。
現在のレコード87.4mmはベトナムのダナン産で、産地的には恐らく最大とされるD個体群のものと思われます。野外レコードは92.7mmとありますが、ベトナム中部の個体群で95mmまで確認されているそうで、飼育レコード個体は中歯なのでまだまだ更新の余地がありそうです。

問題は、長歯を出す方法ですね…

今回入手したベトナム・イエンバイ産は最大になる産地というわけではないようで、野外でも最大90mmいくかどうかといった感じなので、頑張って体重を乗せて長歯を出せればレコード更新も夢ではありませんが、やはりレコードを本気で狙うならベトナム中部あたりの産地を飼育したいところですね…
とりあえず1周回してクベラの飼育を掴んでいけたらと思います。

2023/10/22 入手

イベントKUWATAにて、SMISさんの卓で格安になっていた野外品♀単を購入。

ベトナム・イエンバイ 野外品 2023/8入荷

イベント価格で格安だった為、衝動的に♀単にてを出してしまいました。購入当初はクベラについてあまり理解できておらず、どの亜種かも知らないで買ってしまいましたが、最も大きくなる亜種で、最も入手しやすい亜種がこのfallaciosaだそうです。
そんなクベラfallaciosa亜種ですが、飼育レコードは今だに野外レコに約5mm及ばず、中歯が登録されているようなので、後付けになりますが累代が成功したらレコード狙えるんじゃないかと浅はかに考えてます!

2023/10/22 産卵セット開始

セット内容は、基本的にはUマット、3割ほどマルバネに使用したマット(マルバネ食いカス+赤がれ+L3Lv5)を混ぜ込んでます。コバシャ中、水分マシマシ柔詰め。

初飼育で要領がわからないので、とりあえずはマルバネやインターメディアを産ませたイメージで挑戦しました。管理温度はだいたい22〜24℃

2023/12/7 産卵セット割り出し2回目

1回目の割り出しを約2週間後に行ったところ、卵が10~20個ほど確認できたので、そこから約1ヶ月産卵させて2回目の割り出しを行いました。

結果は卵約40個、初令幼虫約10匹(正確に数えてません…)

累代には十分な数を得ることができたので安心。他のツヤクワガタ同様、ピンポン玉大のダマを沢山作って産卵していたようです。

まだ親♀は元気で符節欠けもありません。また再セットすれば産んでくれそうな雰囲気でした。8月入荷の野外品なので、活動開始してから4ヶ月以上経過していることになります。購入元のSMISさんの管理が良かったのだと思いますが、それでもかなり丈夫ですね…

とりあえずは卵は10個ずつ400mlプリンカップでまとめて管理、初令幼虫は5匹ずつ400mlで管理。幼虫が大きくなって400mlプリカが手狭になった頃にまた大きい容器に移していきたいと思います。

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