【標本】ペレン島が染め上げた青いメタリフェル

標本コレクション

メタリフェルホソアカクワガタ ペレン亜種
Cyclommatus metallifer finae Mizunuma et Nagai, 1991
インドネシア ペレン島
2019年12月
野外品 84mm

2019年12月にアリストから野外品の生体ということでペアで購入しました。なんとしてもこの発色を遺伝させたいと思い、何匹かの♀と掛け合わせて2世代目まで羽化させたのですが、青色になる個体はいませんでした。

メタリフェルホソアカクワガタ ペレン亜種 野外品 84mm 青系

ペレン島に生息するメタリフェルホソアカクワガタの中には時々このような青色の個体が混ざるようです。他の亜種でも特殊色の個体が稀に出現することがあるそうですが、ペレン島のメタリフェルは生体・標本問わずに青色個体が多く流通している印象です。なぜペレン島の青メタリはこんなに多いのか… 現地での個体数が多いから青も入ってきやすいだけなのか、それとも青の出現率自体が極端に高いのか… このメタリ、飼育下では青い個体が全く羽化しません。

多くの人が試したと思いますが、野外品の美しい青色個体を親に使っても親と同じような青色の個体が人工飼育下で羽化することは少なく(私の場合は確認できませんでした)、ここまで人気の青メタリがなぜ血統化されていないのか不思議でなりません。羽化ズレが激しいことで有名なメタリフェルではありますが、対策すれば絶やさず累代を継続することも容易で、今では紫の体色が固定された血統が出来上がっていて市場に多く流通している状態にもかかわらず、青はいまだに固定できてないようです。紫なんて野外品では見たことないのに…

となると、この青には何かカラクリがあるような気がします。現地の地質が石灰岩だとかpHが関係しているだとか、温度・湿度の問題だとか、現地の土壌細菌やバクテリアの影響がどうのこうのだとか、メタリフェル青く染め上げおじさんがいるだとか… 正直何にも手がかりがありません。青の発現条件も気になりますが、メタリフェルは青くなって何かメリットがあったりするのでしょうか?

この青い発色が人工下で再現される日は来るのでしょうか… その前に紫系のメタリフェルからの派生で青っぽい個体が多数羽化するようになってきたので、野外品の青色とは違う発現方法でそれなりに青いメタリフェルを作れる日が来そうだなぁ なんて思ったりしてます。

上翅は基部が青く反射する
頭部は特に青みが強く出る
見る角度によって色を変える
後胸腹板に青が乗る
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