アマミノコギリクワガタの飼育情報

アマミノコギリクワガタ

基本情報

和名:     アマミノコギリクワガタ (アマミノコギリクワガタ原名亜種)
学名:     Prosopocoilus dissimilis dissimilis (Boileau, 1898)
分布:     奄美大島 加計呂麻島 請島 与路島
野外珍品度:  普通★★☆☆☆☆
サイズ:    ♂26.3-79.5mm ♀28.3-40.4mm
飼育レコード: 82.1mm(2017)  ※2021年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 80.5mm  ※2021年時点BE-KUWA参考

飼育難易度 : ややかんたん★★☆☆☆☆
飼育温度:   15〜28℃
成虫寿命:   半年〜1年ほど
幼虫期間:   6~22ヶ月ほど?

備考

国内のノコギリクワガタ属の最大種。トカラ列島〜沖縄本島付近にまで分布し、島ごとで細かい亜種分けがされています。中でも今回扱う奄美大島やその周辺に生息する原名亜種は大型になり、野外でも最大80mmを超える個体が確認されているようです。

本亜種は体色が黒いものが多く、本土のノコギリクワガタより光沢が強い傾向にありますが、1番の違い・見分けるポイントは頭楯の形状です。本土ノコギリは頭楯(口のところ)があまり突き出ていないのに対し、アマミノコギリは頭楯がしっかり突き出て先端が二又になっています。また大型個体になると大顎の内歯の数も少なくなるので、見分けるポイントさえ押さえておけば簡単に見分けることができます。ときどーきヤフオクなどで本土ノコをアマミノコと偽って販売したり、何かの手違いで怪しい個体を出品している方が散見されるのでご注意下さい。

飼育に関しては、基本的に国産ノコギリは全て同じような方法で産卵〜幼虫飼育が可能です。強いて言うなら本土のノコギリよりも冬場は加温してあげる必要があることと、大型になる亜種なので、幼虫の管理容器は♂の場合1400mlくらい欲しいです。幼虫期間は管理温度にもよりますが約1年、羽化してからも、夏以降に羽化した場合は翌年の初夏まで休眠するようです。

飼育レコードについては、現レコード82.1mm(2017)の記事を参考にするのであれば、1令から菌糸瓶投入で蛹化直前のみマット管理で幼虫期間を約18〜19ヶ月くらい引っ張るという感じです。私の場合今までノコギリに菌糸を上手く食べさせることが出来なかったので、マット1本で頑張ろうと思います…

飼育記

2021/6/8 入手

ヤフオクより信頼できるショップ様から成熟済みの個体を購入

奄美大島 笠利町産 WF1 2020/7月羽化 ♂74mm ♀フリー

価格は4000円ほど。

なるべく大型の個体を羽化させてみたいので、WF1で74mmというサイズ帯を選びましたが果たしてこれがいいのか悪いのか… とりあえず後食をしっかり確認してからブリードを開始したいと思います。親超え目指して頑張ります!

2021/7/10 同居ペアリング開始

十分に後食が確認できてきたのでペアリング開始です。♂のアゴを結束バンドで固定して、クリアスライダーで♀と5日ほど同居させます。ノコギリクワガタは雌殺しが多いのでアゴ縛りは必須だと思ってます…

2021/7/15 産卵セット開始

同居5日後に産卵セットを組みました。セット内容はコバシャ中に産卵1番を固く詰めるだけ。一応転倒防止用に水苔をマットの上に敷いて、その上にプロゼリーをいくつか置きました。基本的に国産ノコギリクワガタはこの方法で産卵してくれる印象です。産卵セットの詳しい組み方や内容はこちらの動画で解説してます。

2021/8/24 産卵セット割り出し

産卵セット開始から約40日後、ケース 側面から多数の幼虫が確認できていたので割り出しました。結果は初2令幼虫41匹。累代継続には申し分ない量の個体が得られました。得られた幼虫はそのまま発酵マットを詰めたボトルで個別管理。ボトルの容量は550ml、800ml、1400mlと様々なタイプに分けました。

2022/1/8 幼虫体重測定・ボトル交換

ボトル投入してから4ヶ月半経過してしまいましたがここで体重測定と餌交換をしました。どの幼虫も3令中期頃まで育っていて、♀は9〜12gほど、♂は18〜25gほどまで育っていました。アマミノコギリの幼虫体重については正直あまり理解できていませんでしたが、20gを超えると75mmが見えてくるようなサイズ帯のようです。これは期待!

得られた幼虫は20gを超すような個体は新しいマットを詰めた1400mlのボトルに投入。12g付近の♀と思われる個体は800mlのボトルに投入しました。ちなみに管理温度は部屋で寒くなりやすい床付近に置いておいたので18〜23℃ほどの環境でした。
詳しい内容はこちらの動画で解説してます。

2022/7/23 人工蛹室・一部成虫掘り出し

一部の成虫が羽化したので割り出し&蛹を人工蛹室に移動しました。

78mmのアマミノコギリクワガタ
人工蛹室に移したアマミノコギリクワガタの蛹
羽化間近の蛹
羽化直後のアマミノコギリクワガタ

半数は既に羽化していたので成虫の状態で掘り出すことができましたが、半数はまだ蛹の状態でした。また、蛹の個体のほどんどがボトルの底で蛹室を作っていて不全の可能性があったので、今回は不全を防ぐ為と蛹の体重データをとる為に、人工蛹室に蛹を移す作業をしました。

人工蛹室の作成方法や蛹を移動させる方法についてはこちらの動画で紹介しています。

2022/8/13 成虫確認・結果発表

あらかた成虫が羽化してきたので結果をまとめました。

とりあえず一言、80mmUP達成しました!!!

80.5mmのアマミノコギリクワガタ

幼虫体重(孵化後5ヶ月経過)と蛹体重と羽化サイズの表が↓です

幼虫体重(g)蛹体重(g)羽化サイズ(mm)
24.816.280.5
22.679.6
24.316.678.7
20.015.678.5
21.178.1
2078
20.214.377.7
2014.377.7
21.577.6
22.515.777.2
24.176.5
21.476.5
2076.2
20.276
2075.3
18.411.972.2
18.371.7

結果をザックリ分析すると、幼虫体重が20gを超えたら75〜78mm、24gのっている個体は76~80mmくらいが想定されます。ただし、今回の幼虫体重データは蛹化の約4〜5ヶ月前のデータなので、蛹化前の最終的な体重がどうなっていたのかは正直わかりません。

そこで、より参考になりそうな蛹体重も測ったのですが、こちらでは14gで約77mm、15gで約78mm、16gで78〜80mmという結果になりました。ただし、同じ16g台でもアゴの形によって2mm前後の差が出ている為、蛹体重から想定される羽化サイズは±2mmほどのバラつきを覚悟する必要がありそうです。

また、n=7とクソ雑魚データですが一応散布図にまとめておきます↓

あまり当てにならない近似直線ですが、これを見る限り現レコードの82.1mmを羽化させるなら、蛹体重は18g以上のせないと厳しいと思いました。

80.5mmのアマミノコギリクワガタ
79.6mmのアマミノコギリクワガタ
76.5mmのアマミノコギリクワガタ
左から76.5mm,79.6mm,80.5mm
左から79.6mm,80.5mm

今回羽化した個体の中で特に大型に羽化した3個体(上記の写真の個体)の上翅の最大幅も測ってみたのですが、こちらも面白い結果に… それぞれ、80.5mm、79.6mm、76.5mmの個体の上翅幅はそれぞれ21.1mm、20.9mm、22.2mmという結果になりました。幼虫の最大体重と照らし合わせてみるとこの通り↓

羽化サイズ(mm)上翅幅(mm)幼虫体重(g)
80.521.124.8
79.620.922.6
76.522.224.1
羽化サイズと上翅幅・幼虫体重

一見微妙なサイズの76.5mmの個体も、胸部〜腹部にかけての体積が大きく、アゴが強く湾曲していることによってサイズが出せていなかったり、一見細身で上翅幅20.9mmの個体でもアゴが伸びていることによって79.6mmまで伸びていたりしています。こう見ると幼虫体重や成虫の体積と実際のサイズにはかなりかなりバラつきがあることがわかります。主にアゴの発達と湾曲具合によってやはり±2mm以上の差が生まれるようです…

今回最大の80.5mmは特別アゴが長いとか短いとかはなく、よく体重がのった状態で平均的な形で羽化してくれて80mm届いたような印象です。これが今回79.6mmで羽化した個体のようなプロポーションだったら…

本土ノコギリの羽化個体を観察した時にも思いましたが、国産ノコギリクワガタは同じ親からの子で同じ飼育環境でもアゴの形状にかなりのバラつきがあるので、サイズを競う場合には運の要素も絡んでくると感じました。

現レコードは菌糸飼育のようですが、今回マット飼育で80mmまで出すことができ、まだまだ見直せる部分や伸び代は残っていると思えたので、マットでも十分レコード更新を狙うことができると確信できました。今後もマット飼育でサイズアップを狙いたいと思います。

詳しい羽化個体の掘り出し動画は↓

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  1. テバサキウマい より:

    すごいですね!!
    自分もアマミノコ飼ってみたいです

  2. ミヤミヤ より:

    わたくわさんすごいお知らせがありますアマミノコ1匹だけサイズが81mm ジャストでした。

  3. クワカブ大好き より:

    わたくわさんメタリ90mm出ました