クワガタの飼育容器について

飼育に役立つノウハウ

クワガタの飼育容器について

昆虫の飼育を行う際、飼育容器について悩む方も多いでしょう。かくいう私も今まで飼育容器に悩み様々な容器を試してはあれでもないこれでもないと試行錯誤を重ねてきました。今回はそんな試行錯誤の末に培ってきた容器についての情報をこの記事にまとめてたいと思います。

コバエシャッター

サイズも大・中・小・ミニ・タイニーまで様々あって、どれも扱いやすく観察しやすい印象です。積み重ねもOK。恐らくクワガタ産卵セット用の容器として1番普及しているのではないでしょうか…
コバエの侵入や放出を防ぎ、程よい通気で中の湿度をそこそこ保ってくれます。通気を低くしたい場合は上のフィルターを剥がして通気口にテープを貼ったりして調節することも可能です。
何年も使用したり積み重ねの負荷や熱による変形・経年劣化によって蓋と本体の間に隙間ができることがあり、そこからコバエが出入りすることがあるので注意しましょう。
産卵セットに扱いやすい容器なので、私の場合は小型〜中型のクワガタの産卵セットを組む場合によくコバエシャッター小〜中を使っています。もちろんこれからもいっぱい使うくらいオススメの容器です!

容量と大きさ・価格はは↓こんな感じ

規格 容量蓋込みのサイズ価格
タイニー 約500mlD105×W105×H93mm約200円
ミニケース約1200ml D110×W180×H145mm約330円
小ケース約3200ml D153×W230×H173mm約550円
中ケース約7500ml D195×W298×H210mm約900円
大ケース約11000mlD221×W370×H240mm約1500円
コバエシャッターの容量

※価格は販売店によって前後します

コバエシャッター中で組んだ産卵セット
中ケースでメタリフェルの同居ペアリンング&産卵セット

クリアボトル

基本的に円柱型でフタは捩じ込み式の容器です。主に幼虫の管理時に使っていて、観察しやすくコンパクトで、通気もちょうどよく中の湿度を保ってくれます。サイズは小さいもので500ml、大きいもので3200mlくらいのものがあり、私の場合は800mlと1600mlのボトルを多用しています。なんといってもコスパがいい。だいたい100〜300円くらいで購入できます。欠点を挙げるとすると、通気口が上にあるので積み上げられないのが難点です。

カインズで扱っているオレンジコンテナ
DAISOで扱っている黒いコンテナ

コンテナと併用することで積み上げも可能です。コンテナはDAISOで安いもの(写真の黒いやつ)が販売されていますが、最終的にはカインズのオレンジ色のコンテナがお勧めです。1600mlボトルなら12本、800mlボトルなら23本入り、積み重ねた時の安定感がとても良いです。

クリアボトルの最安値は恐らくDOSですが、基本的に在庫がないので少し高くても他で探して買うことが多いです…

プリンカップ

基本的には小型種の幼虫管理や、割り出し後などの一時的な管理に使われる容器です。容量は90ml〜800mlまで様々で、1個あたり10〜50円ほどで販売されています。使い捨てるか洗って使い直すか悩む人が多いと思いますが、私はめんどくさいのですぐ捨てます…
プリンカップの種類によっては機密性が高く空気穴を空ける必要があります。私の場合は裁縫用のまち針で10箇所ほど穴を空けるます。まち針で穴を開けると通気が確保できてコバエの侵入もある程度は防げます。
クワガタの種類によっては蓋や底面をかじって穴を開けて脱走してしまうことがあるので、活発な成虫や大型の幼虫にはあまり使わない方がいいです… 特に材に産卵したり、菌糸を食べたり、潜る力が強い種類の管理には向かない印象です。
我が家ではメタリフェルの♀やパプキンなど成虫サイズが30mm以下になる種類の幼虫管理に多用しています。また、卵の管理や発送時の一時的な容器としても重宝しています。
数個なら積み重ねて置けますが、やはりコンテナがあるととても扱いやすいです。

最安値は恐らく→シモジマパッケージプラザ

通販で購入できて、5500円以上お買い上げで送料無料になるので、小型種を沢山飼育している人はまとめ買いがお勧めです!

440mlで蛹化したムナコブクワガタ
コンテナで管理中のプリンカップ

クリアスライダー

全面クリアな容器。とても観察しやすく成虫管理や同居ペアリングに最適です。通気性もちょうどよく、蓋がスライド式なので脱走される危険性がとても低いです。積み上げられるように設計してあるので、積み上げても安定性があります。かなり品質が良いのでマジでお勧め。
我が家では中〜大型の成虫は全部これで管理しています。同居ペアリングする場合は1つ餌皿を入れて挙げるとなお良いです。ネブトやパプキンなど30mm以下の小型種では産卵セットとしても使用可能です。

容量と大きさ・価格はは↓こんな感じ

規格容量蓋込みのサイズ価格
クリアスライダー約1400mlD124×W181×H112mm約280円
クリアスライダー ラージ約5600mlD187×W267×H159mm約720円
クリアスライダーの容量

※価格は販売店によって前後します

成虫管理中のクリアスライダー
クリアスライダーでメタリフェルの同居ペアリング

コンテナ

大容量の容器。コバエシャッター大より大きい容器を必要とした時によく使います。昆虫専門用品ではないので、通気口の加工やコバエ侵入防止の対策をする必要があります。我が家ではコバエの侵入を防ぐ為に本体と蓋の間にメッシュシートを挟んで使用し、蓋は通気を確保する為に穴を開けて、その上からメッシュシールを貼って使っています。

主にマットのガス抜き時にコンテナを使用したり、産卵セット後のマットを保管したり、マットを混ぜて自作マットをつくるときに使っています。ヘラクレスや増カブトなど大型カブトの産卵セットにも有効です。

DAISOタッパー

主に100円ショップダイソーで購入できるタッパーをクワガタ飼育に転用します。昆虫用品ではないので、空気穴を空けたり加工が必要で、蓋が開きやすく脱走されてしまう危険性があるので成虫の管理は避けて下さい。上手く扱えば底コストで飼育が可能になります。

パンやさん 約4200ml

メガフードコンテナー 約5000ml

タッパーはとにかく蓋が開きやすく、本体も蓋も素材が柔らかくて穴を開けられやすいので、成虫管理や産卵セットには向かない印象です。以前、ニジイロクワガタの産卵セットとして使用した際には、蓋に大きな穴を開けて脱走されました。2度とニジイロの産卵セットには使いません。我が家では大型の幼虫管理や割り出し後のマットの一時保存としての容器として使用してます。

最後に

飼育容器は用途にあったものを選ぶことをお勧めします。幼虫管理ではプリンカップかクリアボトル、成虫管理はクリアスライダー、産卵セットはコバエシャッターなど、クワガタのステージに応じて上手く使い分けて頂けたら幸いです。
あと、とにかく脱走させてしまわぬよう気をつけて下さい。脱走した虫がもし野外に放たれるようなことがあれば、最悪の場合生態系に取り返しのつかない影響を与えてしまうことになりかねません。そうなってしまうと生態系を守る為に環境省が動き出し、外国産クワガタムシの飼育自体が法律で禁止されてしまう可能性も十分ありえます。近年では魚類のガーやザリガニなどが飼育禁止になり、ショップではミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の販売が禁止となりました。もしクワガタも野外で外来種が定着するようなことになれば、飼育・販売禁止になることでしょう。末長くクワガタ飼育を楽しむ為には、脱走させない、放虫しないを心がけましょう。マジで。ほんと頼んだぞ。

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  1. キャメロン提督 より:

    このようなどの種類を飼育していても役に立つ情報はとてもありがたいです!マットや菌糸のわたくわさんなりの比較や、ケースやボトルだけでなく小物(飼育に使えるもの)の紹介や100均で手に入る便利グッズなども記事にしていただけると嬉しいです。以前、YouTubeでもコメントしましたが、わたくわさんの解説は解りやすくて独特なので楽しみにしています!

    • わたくわ より:

      コメントありがとうございます。
      そう言って頂けると記事にまとめた甲斐があります。また100均の便利商品について追々記事にしていきたいと思います!

      • クワカブ大好き:より より:

        私もクワガタ成虫管理はクリアスライダーですとても使いやすいですよね

  2. ランプリマ大好き より:

    産卵1番じゃなくてもニジイロやパプキンは産卵できますか?
    どのマットがおすすめですか?

  3. テバサキウマい より:

    材産卵の種類はどんな材が良いでしょうか?