パプアヒラタクワガタの情報

パプアヒラタクワガタ

基本情報

和名:     パプアヒラタクワガタ
学名:     Dorcus arfakianus (Lansberge, 1880)
分布:     ニューギニア
野外珍品度:  普通★★☆☆☆☆
サイズ:    ♂20.5-59.4mm ♀25-26.3mm
飼育レコード: 60.3mm(2003)  ※2021年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 59.4mm  ※2021年時点BE-KUWA参考

飼育難易度 : 普通★★★☆☆☆☆
飼育温度:   18〜26℃
成虫寿命:   1年以上
幼虫期間:   6〜10ヶ月ほど?

備考

ニューギニア島に広く生息する中型のヒラタクワガタ。大顎の形に個体差があって、内歯が消失してスラっとのびる長歯型から、大顎が短く内歯がよく発達した短歯型などがあるようです。この歯型はサイズに影響するものではないようで、小さい個体でも大きい個体でも長歯や短歯が出るようです。

歯型が決まる要因については詳しいことはわかりませんが、同じ血統で飼育環境下(同じ温度下)でも長歯や短歯の個体が混ざって羽化することから、アルキデスのように温度によって歯型が変わるわけではないようです。となると歯型は遺伝が関係しているのでしょうか…これについては今後検証していきたいと思います。

現地では低地から山地まで広い標高帯に生息しているようで、生態は国産ヒラタに近いようで樹液の出る木の洞を♂が占有してそこで♀と同居する姿が確認されるそうです。個人的には大顎の型の違いが♀獲得の戦略にどう関わっているのかがとても興味深い種類だと思います。

飼育は基本的に国産ヒラタと同じ方法で問題なく累代が可能なようです。ヒラタクワガタの中でもかなり気性が穏やかで臆病な種類のようで、目の前でハンドペアリングするよりは、短期間の同居ペアリングの方が向いているように思います。

パプアヒラタクワガタの♂
パプアヒラタクワガタの♂

飼育記

2021/3/23 入手

インドネシア パプア州 ナビレ産 WF2
♂短歯49mm 12月羽化、♀25.5mm 10月羽化

ヤフオクより購入。

産卵セット割出し 2022/6/28

準備中

羽化・割出し 2022/3/4

菌糸瓶800ml1本で羽化してきた個体のサイズを下記にまとめました。

♂ 53mm, 51mm, 50mm, 49mm, 49mm, 49mm, 49mm, 49mm, 48mm, 46mm, 45mm

♀ 26mm, 26mm, 26mm, 26mm, 25mm, 25mm, 25mm, 25mm, 24mm, 24mm, 23mm

パプアヒラタクワガタ 左から、短歯、中歯、長歯
パプアヒラタクワガタ 左から、短歯、中歯、長歯

だいたい20〜25℃くらいの環境で管理した結果、最大サイズは53mmという結果になりました。同じ環境で飼育したにも関わらず、長歯〜短歯まで多様な歯型の個体が同じラインから羽化したので、歯型が決まる要因として温度などの環境要因は恐らく関係ないのだと考えられます。となると遺伝が関係するのでしょうか… 面白そうなので次世代は長歯の♂を種親に使って累代を継続してみたいと思います。

また、レコードが60mmを超えていることを考えると、今回はあまり大きな個体を羽化させることができなかったようです。アルファック山などの高標高の山にも分布を広げているヒラタなので、もしかしたらアルキデスのように高山帯に適応している個体群は低い温度の方が大型になりやすいのかもしれません。

更なるサイズアップを狙うとしたら20℃以下の環境で管理した方がいいのかも…
とりあえず累代を継続してデータを集めたいと思います。

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