メタリフェルホソアカクワガタ 原名亜種の情報

原名亜種

基本情報

和名:     メタリフェルホソアカクワガタ 原名亜種(スラウェシ)
学名:     Cyclommatus metallifer metallifer  Boisduval, 1835
分布:     スラウェシ島
野外珍品度:  普通★★☆☆☆☆
サイズ:    ♂36-91mm ♀26-28.3mm
飼育レコード: 88.5mm  ※2021年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 100mm  ※2021年時点BE-KUWA参考

飼育難易度 : 普通★★★☆☆☆☆
飼育温度:   18〜26℃
成虫寿命:   半年〜1年
幼虫期間:   3~10ヶ月

備考

 メタリフェルの基本亜種にあたりますが、サイズはペレン亜種より平均サイズは小さく、光沢はサンギレンシスより弱い印象です。またアゴが太いかといえば個人的にはアエノミカンスの方が太くて湾曲が強い個体が多いように思います。生体の流通量はペレン亜種の次に多く、メタリフェルの亜種の中ではなんというか、知名度はあるけど飼育屋にはあまり人気がないような種類なんじゃないでしょうか。

 現地のスラウェシ島では、ママサやパル等の標高1000mほどの産地と、ブンガディディ等の標高10mほどの産地があるそうで、高標高に生息している個体群の方が平均サイズが大きいようです。雨季にあたる12月〜1月に活動個体が最も多くなるようですが、4月に多数の個体を確認している採集記もあり、ほとんどの期間は普通に採集可能なクワガタなんだと思います。
 成虫は日中、ノボタンの花やヒメツバキの仲間などの新芽、センダン科の樹液などに集まるようで、採集する場合は気温が上がる前の早朝に木にしがみついている個体を見つけるか、夜間のライトトラップにも飛来するようです。 野外でも飼育下でも、よく♂が♀の上に覆いかぶさって♀を守るメイトガードという行動をとることが知られています。

 飼育は比較的容易ですが、羽化ズレがひどいことと、大きいサイズを羽化させるのには一癖あるようです。私の飼育環境ではペレン亜種と同じ飼育管理をしてもペレン亜種より5~8mm小さい個体が羽化する感覚でした。現地の標高が約1000mというのを考慮すると、やはり大型を作出する為には18〜20度ほどで幼虫を管理する必要がありそうです。飼育の自己ベストは78mmですが、野外では嘘か本当か100mmの個体が記録されているようなので、まだまだ飼育方法に改善の余地がありそうです。

正面からの75mmメタリ原名の♂
75mmのメタリ原名♂
メタリ原名の♀
78mmのメタリ原名♂

飼育情報まとめ

成熟・ペアリングについて

後食開始:      羽化後2週間〜1ヶ月ほど

成熟期間:      2週間〜1ヶ月ほど

メス殺し:      少ない

成熟とペアリングの詳細

 22〜25℃ほどの環境だと羽化後3週間ほどで後食を開始し、そこから2週間〜3週間ほどした個体をペアリング〜産卵セットに投入して問題なく産卵行動をしていました。
 ペアリングはクリアスライダーに♂♀を5日間ほど同居させるのですが、その時エサ皿があると交尾がスムーズにいく印象です。エサ皿があるとメイトガードがしやすくなるようで事故も少なくなるような気がします。それでも長い期間同居させてしまうと♀に噛み跡ができてしまったり稀に殺しがあるので、長くても10日以内には別居させた方がいいかと思います。

産卵セットについて

セット温度:    23〜26℃

容量:       コバエシャッター【小】(約3L)

マット・材:    無添加微粒子1次発酵マットの固詰めに産卵

オススメマット:  産卵一番

産卵セットについての詳細:

 産卵セットの方法は国産ノコギリやヒラタ、パプキンなどを産ませる時と同じように、材なしの産卵1番硬詰めで十分産卵してくれます。水分量は産卵1番10Lに対して水600mlくらいを目安に加水していますが、マットの保存状態によって水分量が異なるのでお気をつけ下さい。 上手くいけばセットから1ヶ月後に底面や側面から幼虫が確認できます。私の場合、1ヶ月半〜2ヶ月半後に産卵セットをひっくり返して1〜2令幼虫を回収します。

幼虫の管理について

幼虫飼育の温度:  18〜26℃

容量:       ♂200〜1600ml ♀200ml 

幼虫の餌:     発酵マット

水分量:      普通〜水分多め

幼虫飼育の詳細

 マットは発酵の浅いものから深いものまで、添加の無いものから高添加のものまでなんでも食べてくれる印象ですが、菌に撒かれやすい印象があるので菌糸はオススメしません。正直なところどんなマットを使用すれば大きくすることができるのか私もまだ掴めていませんが、温度は20℃前後で1600mlほどの容器で管理すると比較的大型の個体が羽化するような気がします(自己ベスト78mmなのでそこまで参考になりませんが…)今後とも自己サイズアップを目指して飼育を続けたいと思います!

参考資料・情報まとめ

藤田 宏, 世界のクワガタムシ大図鑑 解説編, むし社, 2010, p.155.

鈴木 知之, 熱帯雨林のクワガタムシ, むし社, 2000, p.26-27・202-205.

鈴木 知之・福家 武晃, 世界のクワガタムシ, 株式会社環境調査研究所, 2002, p.52-53.

五味 孝廣, Cyclommatus BLUES, KUWATA No.20, ワイルドプライド, 2004. p50-60.

若竹 哲矢, メタリフェル採集記, KUWATA No.12, ワイルドプライド, 2002. p56-61.

松下 泰平, ミヤマ仮面メタリフェルの住処へ馳せ参ず!, KUWATA No.15, ワイルドプライド, 2003. p82-87.

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  1. パプキンマニア より:

    サンギレンシスでも同じセットで大丈夫ですか?

    • わたくわ より:

      我が家ではメタリフェルの産卵セットは産卵1番で組んでます。今の所、原名亜種、ペレン亜種、サンギレンシス、アエノミカンスの4亜種で同じセットを組んでますが、問題なく産んでくれてます!

  2. クワ吉 より:

    私もコクワガタの産卵に成功したのですが幼虫飼育は菌糸で大丈夫でしょうか