メリーメンガタクワガタの情報

メリーメンガタクワガタ

基本情

和名: メンガタクワガタ(メリーメンガタクワガタ)
学名: Homoderus mellyi Parry, 1862
分布: アフリカ中部〜西部(カメールーン、コンゴなど)
野外珍品度: もっとも普通★☆☆☆☆☆
サイズ: ♂26-55mm ♀20.2-31.8mm
飼育レコード: 58.5mm  ※2021年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 53.6mm  ※2021年時点BE-KUWA参考

飼育難易度 : 普通★★★☆☆☆☆
飼育温度:   18〜26℃
成虫寿命:   半年〜1年
幼虫期間:   5〜10ヶ月

備考

本種はアフリカを代表するHomoderus属の基準種と呼ばれており、メンガタクワガタの中で最も得やすい種類です。Homoderus属は他にもジョンストンメンガタやグラディアトールメンガタがいますが、その2種は野外での珍品度も高く、国内でも生体があまり流通していない印象を受けますが、本種のメリーメンガタクワガタは比較的多く安価で流通しているようです。
最も多く流通している産地はカメルーン産ですが、今回私が入手したコンゴ産は珍しい産地のようで、特徴もカメルーン産とは少し異なるようです。具体的には上翅の色が少し濃く、♀の色彩が反転したような模様になり、裏面は黒っぽくなるのがコンゴ産の特徴のようです。
飼育については、蛹化する際にネブトクワガタやツヤクワガタのように土繭を形成したり、羽化後の休眠期間が長いなど少しクセがあるようですが、飼育難易度はそこまで難しくないようです。産卵はオオクワガタやフタマタクワガタのようにバクテリア材などを転がしておくと産むようです。
とりあえず珍しい産地の個体を入手してこれから累代を開始していくところなので、詳しい飼育情報については追々更新していきたいと思います!

コンゴ産メンガタクワガタ♂
コンゴ産メンガタクワガタ♀
コンゴ産メンガタクワガタ♂の裏面
コンゴ産メンガタクワガタ♀の裏面

飼育記

入手 2021/12/21

2021年12月21日にヤフオクからコンゴ産メリーメンガタクワガタの成虫2ペアを購入。割り出し日は4匹とも11月中旬とのことです。メンガタクワガタは休眠がとても長く、半年ほど寝ていることがザラにある種類ですので、休眠中のトラブルを考えると2ペアいた方が安心できます…

サイズは♂38mm、♂36mm、♀27mm、♀27mm

コンゴ産の個体群はカメルーン産と比べて全体的にややサイズが小さい傾向にあるようですが、今回入手したコンゴ産の中でも小型の個体だと思います。

コンゴ産メンガタクワガタの♀
コンゴ産メンガタクワガタの♂

とりあえずはクリアスライダーに仕切りを付けたものに水苔を入れて後食開始まで管理します。管理温度は22〜24度ほど。メンガタクワガタは気温の高い場所に生息しているようなので、ほんとはもう少し高い温度で管理したいところです。

産卵セット開始 2022/2/3

半年くらい寝かせることを覚悟していましたが、1月中には後食を開始し始めて、1月下旬には4匹全部が後食開始していたため、2月3日に急遽産卵セットを組み、セット内で4匹まとめて同居させることとしました。

セット内容は、コバエシャッター【中】に下2割だけ産卵1番を固く詰め、その上に産卵木を5本転がしました。産卵木は少し柔らかめのものを用意し、2本は使用済みの分解が進んだ材、もう3本は即席で作ったバクテリア材(使用済みマットを水に溶いたものせ加水した材)を使いました。

メンガタクワガタの産卵セット
交尾中に2匹目の♂が上に登って交尾器を出そうとしている様子

産卵セットに2♂2♀を投入すると、すぐに交尾行動が確認できました。恐らくメンガタクワガタはマルバネやオウゴンオニのように交尾意欲が強い種類のようで、一度スイッチが入るとすんなりと交尾行動を行いますし、なんなら交尾中に2匹目の♂もスイッチが入っているくらいです。

この調子だと十分に成熟が済んでいそうなので、一旦はこのまま様子をみたいと思います。

産卵セットの詳しい内容を知りたい方はこちらをご覧下さい。

産卵セット割り出し 2022/3/1

産卵セットを組んでから約1ヶ月が経過したので採卵してみました。どの材にも♀がかじった痕跡が沢山見られ、表面から卵が確認できる材もありました。

材の表面を千枚通しで削った結果、5本の朽木から卵が19個と初令幼虫10匹が回収できました。まだ材の丸い断面に産卵されたものもありますが、とりあえずは割り出しやすい場所だけ削って、もう一度材は産卵セットに戻して追加を得ようと思います。

メンガタクワガタの産卵痕と表面から見える卵
組んでから1ヶ月経過した産卵セットの様子

割り出し時に気づいたのですが、使用済みの水分多めボロボロ材には沢山の産卵痕がありましたが、そのわりに空砲や腐った卵が多く確認できました。一方で、即席で作ったバクテリア材は材質も固く乾燥気味で産卵痕も少なかったですが、そのわりに状態の良い卵が多かったイメージです。

恐らく序盤は使用済み材を好んで産卵行動をしていて、後半で他の即席材にも産卵していたのだと思います。使用済み材で腐った卵が多い理由としては、水分が多すぎて腐ってしまったか、産み始めで不完全な卵を産卵していた可能性も考えられます。

柔らかく分解の進んだ材に好んで産卵するようですが、結局のところ乾燥気味でも産卵してくれるので、水分過多で腐らせてしまうよりは少し乾燥気味の材を入れた方がいいのかもしれません。

割出しで回収した卵と幼虫のプリンカップと、再セットの様子

今回得られた幼虫や卵は60mlのプリンカップで一時的に管理して、後々800mlのクリアボトルで個別管理をする予定です。菌糸でも大きくすることができるようですが、今回はマットで管理したいと思ってます。

成虫は4匹とも符節の欠けもなくまだまだ元気な様子でしたので、今回削った産卵木で再セットしました。恐らく♀は交尾が上手くいっているので、♂は取り出して♀だけで産卵させることにします。

産卵セットの割り出し動画はこちらです。

参考資料・情報まとめ

藤田 宏, 世界のクワガタムシ大図鑑 解説編, むし社, 2010, p.171.

鈴木 知之・福家 武晃, 世界のクワガタムシ, 株式会社環境調査研究所, 2002, p.66-67.

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  1. 藤田明日真 より:

    わたくわさんの動画いつも見てますこれからも頑張って下さい