ミヤマヒラタクワガタの情報

ミヤマヒラタクワガタ

和名:     ミヤマヒラタクワガタ
学名:     Dorcus kyanrauensis Miwa, 1934
分布:     台湾
野外珍品度:  やや少ない★★★☆☆☆
サイズ:    ♂27.3-55.4mm ♀25-26.3mm
飼育レコード: 58.2mm  ※2021年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 57.8mm  ※2021年時点BE-KUWA参考

飼育難易度 : ややかんたん★★☆☆☆☆
飼育温度:   18〜26℃
成虫寿命:   1年以上
幼虫期間:   だいたい5~10ヶ月

備考

台湾固有の小型ヒラタ。現地に生息しているタイワンヒラタに似ていますが、本種の方が小型で頭部が大きくなるようです。、また、タイワンヒラタと比べてやや山地帯に生息していることから山深くを表す「深山みやま」が和名に使われているようです。現地で昆虫採集をしている方の情報では、標高750m付近で大型の個体を採集しているようなので、日本でいうミヤマクワガタが好むような標高や温度帯を好むのではないかと推測されます。

全体的に厚みがあり、♂の大顎は短く、最大内歯は付け根から2/5のところに斜め前を向いて出て、最大内歯〜顎の先端の間に小内歯が1本現れます。大型個体になると小内歯が複数になるようですが、titanusのようにノコギリ状にはならないようです。また、♂♀ともに表面に細かい点刻が多く艶消しのような質感になっています。

飼育は容易で、国産ヒラタと同じような飼育方法で問題なく累代できます。ただ、大型個体を羽化させたい場合は、幼虫の管理温度を低めに設定する必要がありそうです。私の場合、22〜25℃管理で菌糸瓶800ml1本で羽化まで管理して、幼虫期間約7〜8ヶ月で49〜53mm程度の個体が羽化してきました。恐らくは20〜23℃ほどの環境で800ml2本で羽化させることができればもう少し大きいサイズが狙えるかと思ってます(次世代で55mm目指して頑張ります)

ミヤマヒラタクワガタ52mm
横から見たミヤマヒラタクワガタ52mm
正面から見たミヤマヒラタクワガタ52mm
ミヤマヒラタクワガタの♀29mm
ミヤマヒラタクワガタ♂の裏面
ミヤマヒラタクワガタ♀の裏面

飼育記

入手 2021/3/31

ヤフオクからF7の成虫トリオ♂♂♀を購入。産地は台湾松崗なので、恐らくは基本産地で標高700m付近に生息している個体群のものだと思われます。一部低地で生息している個体群もあるようなので産地別で形質が変わってくるのか少し気になります…

成虫のサイズは、♂34mm、♂30mm、♀フリー(かなり小さめ?)

2020年の夏〜秋に羽化した個体のようで、既に後食もしっかり開始していて、すぐにでも累代可能かと思います。

34mmのミヤマヒラタクワガタ
ミヤマヒラタクワガタのペア
ミヤマヒラタクワガタの♀
ミヤマヒラタクワガタの♂

ペアリング・産卵セット 2021/4〜5月?

正直なところしっかりとしたデータを残していないのでうろ覚えで書きます…

ペアリングはアゴ縛りなどを行わず、クリアスライダーでそのまま1週間ほど同居ペアリングを行いました。♀殺しが無いとは言えないのであまりオススメしませんが、今回の個体は♂もとても小さかったので、なんとか無事でした。

産卵セットはクリアスライダーに産卵1番を固詰めしただけの産卵セットを組み、そこに交尾済みの♀を投入しました。

クリアスライダーで組んだ産卵セット
ミヤマヒラタクワガタの卵

産卵はマットを固く詰めた側面に行うようで、材がなくても問題なく累代できるようです。

恐らくは一般的なヒラタクワガタの産卵方法で問題なく産卵する種類ですが、高温にどこまで耐えられるかは不明です。今回は23〜25度程度の環境で産卵させました。

割り出し・菌糸瓶投入 2021/7/15

こちらもしっかりデータ取ってなかったので曖昧な記事です…
孵化してからある程度マットを食べた初2令の個体を800mlの菌糸瓶に投入しました。菌糸は粗めのブナオガにヒラタケを使用。自分で詰めたものになります。60mmを越えない種類なので恐らくは800mlあれば容量は十分だと思ってます。

成虫掘り出し 2022/2/17

羽化してきた個体を割出し。結局7ヶ月も放置して菌糸瓶800ml1本返しになりました。結果は♂が47〜54mm、♀25〜31mm(一部プリカ管理)。年末くらいから大暴れが始まり、真っ黒になった菌糸瓶からは50mm前後の個体が羽化してきて、ちょっと暴れた個体は54mmという結果になりました。

羽化サイズ

♂ 54mm, 52mm, 51mm, 51mm, 50mm, 47mm

♀ 31mm, 29mm, 29mm, 29mm, 29mm, 28mm, 25mm, 25mm

今回は22〜25度ほどで管理しましたが、生息地の環境を考えるともう少し温度を下げてもいいように思いますし、途中で菌糸交換ができたらもう少しサイズを伸ばせたかと思います。

羽化して間もないミヤマヒラタ52mm
52mmのミヤマヒラタクワガタ♂
ミヤマヒラタの♀
53mmのミヤマヒラタ♂

国産ヒラタと比べて厚みがあって頭部も大きいので、サイズのわりに迫力があります。♀は点刻が多く、光を当てるとギラギラと輝くので、実物は思ったよりも個性的な印象を感じました。これからも累代を続けてさらなるサイズアップを目指していきたいと思います。

参考資料・情報まとめ

藤田 宏, 世界のクワガタムシ大図鑑 解説編, むし社, 2010, p.263-264.

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  1. 駒井政斗 より:

    ミヤマヒラタ飼育
    高校2年です
    ミヤマヒラタについてです
    今トレードでWf8の個体
    オス1メス8でもらいました。
    情報が少ないため聞きたいです!!
    動画も見たのですが大きくするコツがなかなか分かりませんなので教えて頂きたいです

    • わたくわ より:

      コメント ありがとうございます。
      ミヤマヒラタについては、とりあえずタダノヒラタケ菌糸瓶800mlに投入して20〜24度くらいの環境で管理して最大54mmという結果になりました。
      感覚的にはもう少し低温で管理できたらサイズアップを狙えるのかもしれませんね。