フィリピンネブトクワガタ 亜種バンガイエンシスの情報

フィリピンネブトクワガタ

基本情報

和名:     フィリピンネブトクワガタ 亜種バンガイエンシス
学名:     Aegus philippinensis banggaiensis  Nagai, 1994
分布:     ペレン島、スラ諸島(タリアブ島、マンゴレ島)
野外珍品度:  やや少ない★★★☆☆☆
サイズ:    ♂15.2-30.1mm ♀16.9mm
飼育レコード: 41.5mm(2021)  ※2021年時点BE-KUWA参考
野外レコード: 30.1mm  ※2021年時点BE-KUWA参考

飼育難易度 : 調査中
飼育温度:   調査中
成虫寿命:   調査中
幼虫期間:   調査中

備考

フィリピンネブトの中でも比較的大型になる亜種のようで、飼育下では40mmを超える個体が羽化しているそうです。

本亜種だけフィリピンを大きく離れペレン島とスラ諸島に分布していることになっており、その間に位置するミンダナオ島やスラウェシ島にも本種に似た形質のネブトクワガタが生息しているようです。分類上の関係については勉強不足ですのでいいかげんなことしか言えませんが、見た目だけで言えばミンダナオネブトもかなり近い形質をしているように見えたり、スラウェシの場合は似た種類で島内での種分化が多様になったていて、別種扱いになっているような気がします。

ネブトクワガタはその生態の性質上、あまり広範囲を移動しないクワガタなので、スラウェシのような島では山や谷などで生息域が区切られ、同じ島内でも種分化が進みやすかったのではないかと思ってます。

とりあえずこのあたりのネブトは素人目には違いがわかりずらいです(私も判別できないです)。今回入手したタリアブ島のネブトは今までしっかり飼育して大型個体を羽化させた例が少ないようなので、今回しっかり飼育して大型個体がどのような形になるのか検証してみたいと思います。恐らくペレン島産ほどは大きくならないと思いますが…

タリアブ産 フィリピンネブトクワガタ
タリアブ産のフィリピンネブトクワガタ裏面

飼育記

入手 2022/3/8

むし社にてタリアブ島産の野外品トリオ♂♀♀を購入。昨年オオカブトの部屋のSINさんがペレン産のバンガイエンシスでレコードを更新してから本亜種がとても気になっていましたが、珍産地のタリアブ産の本亜種がかなり安価に販売されていたので思い切って購入しました。

実は本種は4年前にフィリピン・ボホール島産の原名亜種の飼育経験があり、その時はサイズを狙う飼育などをしていなかった為、特にデータなども取らず一通り増やしては満足して累代を終えていました。その時の感覚では累代はびっくりするほど簡単で、産卵セットが悪条件でもとりあえず増えまくっていた印象です。

タリアブ産のバンガイエンシスが同じように増えるのかは不明ですが、ネブトの中では比較的飼育が簡単な部類であることは間違いないと思いますが、野外品は油断ならないのでしっかりと産卵セットを組んで累代を成功させたいと思います。

タリアブ産バンガイエンシス♂22mm
タリアブ産バンガイエンシス
横から見たタリアブ産バンガイエンシス
タリアブ産バンガイエンシスの♀

産卵セット 2022/3/10

1600mlのボトルに完熟マットを詰めた産卵セットを2つ組みました。マットは普段マルバネの産卵に使っている特殊なマットですが、ロットの少ないマットの為、どこのマットかは非公開とさせてください。

加水は多めで、片手で握った時に水が数滴染み出るくらいです。マットは硬く詰めず、可能な限りダマを作らないようにふっくら入れてあげます。最後に水苔を入れて完成。

フィリピンネブトの産卵セット

今回はトリオだったので、片方は♀1匹、もう片方は1ペアを産卵セットに投入しました。管理温度は25度ほどで、とりあえず1ヶ月ほど様子をみます。

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